シェアロースターで焙煎技術を積み上げた平さんが、次に踏み出したのはオンラインショップの立ち上げでした。後編では、販売を始めてから実店舗開業に至るまでの歩みと、今のお店づくりについて聞きました。
ーーオンラインショップを始めたのはどんなきっかけだったんですか?
シェアロースターを始めて3年ほど経った頃、自分の味づくりに少し土台ができてきた感覚がありました。それで身内以外の人にも飲んでもらおうと、オンラインショップを立ち上げました。思ったより反響があって、それが刺激にも励みにもなりましたね。もっと上手く、おいしいものを作りたいという気持ちがさらに強くなりました。
ーー反響というのは?
定期的に買ってくれる人が出てきたことです。それが自信につながって、開業への心の支えになっていきました。明確なきっかけがあったわけじゃないんですけど、積み重ねてきたものが背中を押してくれた感じです。

ーー今のお店はどんな場所ですか?
豆の販売が中心の小さな店です。住宅街にあるのですが、お一人のお客様をはじめ、ご夫婦、お二人連れ、小さなお子様連れのご家族、ご年配の方など、さまざまな世代のお客様にお越しいただいています。
小さな喫茶スペースもあり、ゆっくりと一杯飲むことも出来ます。
ーーお客さんとのやりとりで印象に残っていることはありますか?
みなさん、豆を選ぶ時間を楽しんでくれているんですよね。この豆を朝飲もうかとか、お母さんが喜びそうとか、田植えのときにおじいちゃんおばあちゃんに持っていってあげようとか。豆そのものより、誰かと飲む場面を想像しながら選んでくれている。それがすごく嬉しくて、写真とは違う立体的な風景として残っています。そういうものを大事にしたいなと思っています。
ーーコーヒーのラインナップで工夫していることは?
最初は浅煎りが全然売れなくて。でも店頭で試飲してもらって、家でも同じように淹れられるようにレシピも一緒に渡すようにしたら、少しずつ変わっていきました。1年経った今では、エチオピア ナチュラルがシングルオリジンの中で一番売れる豆になっています。自分の感性を信じて続けてきてよかったと思いましたね。

ーーHOOPでの時間を振り返って、今に生きていると感じることはありますか?
焙煎の技術はもちろんですが、小川さん(HOOPオーナー)との会話の中で影響を受けたことがとても多かったです。コーヒーのことだけじゃなくて、お店づくりや商売のことも。それは今も大きな財産になっています。
ーーこれからどんなお店にしていきたいですか?
オープンして1年が経とうとしています。試行錯誤してきた今の方向性は維持しながら、焙煎量も増やしていきたいです。小さく始めて、失敗しながら少しずつ大きくしていくスタイルが自分に合っていると思っています。いずれは焙煎機も大きくしていきたいです。コーヒーを通して、多くの人々の普通の一日に関わり続けるお店になれたらいいなと思っています。

TAIRA COFFEE
奈良・生駒の住宅街に店を構える、豆販売を中心とした小さなコーヒー店。ハウスブレンド3種を軸に、シングルオリジンも取り揃える。店頭では試飲と再現レシピの提供も行っており、家でも同じ味を楽しめる体験を大切にしている。
〒630-0122
奈良県生駒市真弓1-5-8
営業時間|火水金土日 10:30~17:30
https://www.tairacoffee.com