コーヒーとの出会いと「カフェ10万店構想」

コーヒーとの出会いと「カフェ10万店構想」

一流のバリスタの一杯も素晴らしい。けれど、家族や友人、パートナーが自分のために淹れてくれたコーヒーこそ、心に残る体験だとHOOPは考えています。

HOOPが掲げるカフェ10万店構想は「だれと いつ どこで」を大切にし、世界にひとつのカフェを増やしていくビジョンです。生豆販売は、その歩みを少し前に進めるための取り組みです。

HOOPオーナー・小川とスペシャルティコーヒーとの出会い

ーーなぜコーヒーをお仕事にしようと思ったのか、原点を教えてください。

実家の家業を手伝ってたんですが、やっぱり自分のやりたいことやってみたいっていうのが根本にあって、たまたま知人から「カフェ事業がいいんじゃないか?」という話をされたのがきっかけでした。

はじめは興味はありませんでしたが、「※サードウェイブコーヒー」のキーワードをリサーチした際、オープン性・シェアリング、トレーサビリティといった概念に面白さを感じ、2014年にサンフランシスコを訪れるに至り、そこで初めて経験した酸味のある浅煎りのコーヒーに魅了されたことが、コーヒー事業を始めるきっかけとなりました。

当時日本でまだサンフランシスコの浅煎りのコーヒーが飲めるところはほぼありませんでした。全く具体的なことは決めていなかったのですが一旦自分たちで事業をやってみようという話になり、その後も何度もサンフランシスコへ行き勉強をして、2015年11月に2人の仲間とHOOPを始めました。

最初から自分たちが店を構えるというより、自分たちが世界をまわりながらたくさんのロースターと繋がり
世界中のロースターたちの物語とコーヒー豆を オンライン上のプラットホームでシェアしていくビジネスをスタートすることに決めました。

コーヒー豆の生産者の中には、生活が厳しい環境で働いている人も多く、そうした生産地の人たちの生活水準を少しでも上げることにつながればという気持ちもありました。でも、一番の原動力はやっぱり「コーヒーとの出会いが面白い」ということ。国や文化が違っても、コーヒーを通してつながれるのが魅力なんですよね。

アメリカはもちろん、オーストラリアや北欧など、コーヒーカルチャーが根付いている国をいくつも回りました。それぞれの土地に、焙煎や味づくりに対する考え方やストーリーがあって、それがすごく刺激的でした。実際に現地で話してロースターと取引を開始し、日本で初めてフォーバレルコーヒー(Four Barrel Coffee)の豆を販売しました。そういう「物語」をシェアしながら、豆を紹介していくことを目指してまずはオンライン上での販売から始めたんです。

HOOPが大切にしている「だれと いつ どこで」というキーワード

ーーHOOPが掲げる「 だれと いつ どこで」というキーワードには、どんな想いが込められているのでしょうか?

僕の中では、コーヒーの美味しさに対する答えはすでにあって、それが「だれと、いつ、どこで」なんです。

たとえば、自分で焙煎した豆を自分で淹れて飲む——それだけでも十分に贅沢です。さらに、そのコーヒーを奥さんや友人に淹れてあげる、あるいは「自分で焼いた豆なんだ」と話しながら一緒に味わう。その瞬間の共有こそが、コーヒーの楽しさだと思うんです。

もしコーヒーを淹れている時、子供が見ていて「僕もやってみたい!」と言ってきたら、たぶんさせてあげると思うんです。淹れ方はめちゃくちゃですごく薄いコーヒーであっても自分のために淹れてくれたコーヒーはなによりも美味しい1杯のコーヒーだと思います。


そしてまたその子供も誰かのためにしてあげた行為で喜んでくれたという体験が嬉しくてまた誰かに淹れてあげたいってなると思うんです。


そういう気持ちを日常の中で自然と大切にできる機会をコーヒーは作れると思います。

そんなふうに、一杯のコーヒーを通して生まれる小さな感動や体験——それがHOOPが大事にしている「だれと、いつ、どこで」という考え方です。コーヒーを通して、人と人がつながる瞬間を増やしたい。それが僕らのビジョンなんです。

カフェ10万店構想から広がる、HOOPのこれから

ーーこれからHOOPが取り組んでいきたいことや描いている未来像を教えてください。

例えば、友達と山へトレッキングに行こうという計画を立てるとします。
頂上でのブレイク時に、一人は美味しいパン、別の一人はそれにあうワイン、そして僕はコーヒー器具と豆を…まだ、実際行ったわけでもないのに計画の話しをしている時が一番楽しかったり。

なぜなら一人ひとりが相手の喜ぶ顔をイメージして準備しているから。だから、実際行った時、そのメンバーでその時、その場所でしか作れないカフェになります。
何が言いたいかというと、コーヒーを淹れることが誰かが喜ぶ、楽しんでもらえる、そんな気持ちを普段から自然と大切にできる機会になる。

この構想は、物理的に10万軒のカフェをつくるという話ではありません。
「自分や誰かのために、コーヒーを介して豊かな時間をつくりたい」と思う人が全国に10万人いたら、それぞれの場所に、その人にしか生み出せない「カフェ」が生まれる。僕はそうした人が増えれば、社会そのものが少しずつ良くなると思っています。

日常生活の中で誰かを喜ばせたい、大切な人のために何かしてあげたい

そんな気持ちをコーヒーを淹れるという行為で
ありがとう!こちらこそ!
みたいな感じで伝え合える。

その場がその人たちだけのカフェになる。

そのカフェが10万あれば10万通りのカフェになる。

そんな世界観を表現したいと思っています


※「サードウェーブコーヒー」は、コーヒーの消費と文化の変化を指す言葉。1960年代以降のコーヒー史を3段階で整理したときの「第3の波(ウェーブ)」を意味する。第1の波:大量生産・大量消費のインスタントコーヒー時代。第2の波:スターバックスなどに代表されるチェーン型カフェの普及。第3の波(サードウェーブ):豆の産地、焙煎、抽出方法にこだわり、コーヒーを嗜好品として味わう文化。

特徴は産地ごとの個性を重視し、フェアトレードやサステナブルな生産を尊ぶこと。ブルーボトルコーヒーやインテリジェンシアなどが代表例。